地政学で世界の見え方が変わる──『サクッとわかるビジネス教養 地政学』を読んで感じた3つの視点

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スモールモル
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今回はあっちゃんのYouTube大学で紹介されていてずっと気になっていた本について書いていきます!

「地政学」と聞くとなんとなく難しそう、国際政治や軍事の専門家が扱う分野というイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、奥山真司さんの著書『サクッとわかるビジネス教養 地政学』を読んでみると、「地政学的な視点」は私たちの日常やビジネスにこそ必要な“モノの見方”であることに気づかされます。

本記事では地政学とは何かをざっくりと理解しつつ、普段のニュースの見え方がどう変わるのか、そして個人の仕事や人生にどう役立てられるのかを、3つの視点からご紹介します。


1. 「地理」と「国家の思惑」は切っても切れない

地政学の基本は「地理」という動かせない現実に、国家がどう対応してきたかを読み解く学問です。他例えば、ロシアがウクライナにこだわるのは、単なる隣国との争いではなく、「不凍港」を確保したいという地理的・軍事的な理由が背景にあります。

また、日本に住む私たちにとっては海に囲まれた「島国」であるという事実が、平和や外交のあり方に大きな影響を与えています。日本が「アメリカとの同盟」に強く依存する背景には、地理的に中国・ロシアといった大国に囲まれており、自国のみで防衛を完結するのが難しいという現実があるのです。

普段、ニュースを見るときに「〇〇がミサイルを発射」「△△首脳が会談」といった情報だけを追いがちですが、地政学の視点を持つと、「なぜ今その動きが起こっているのか」「この動きはどの国にとって有利なのか」と、一歩踏み込んだ理解ができるようになります。

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キーワードは
”ランドパワー”と”シーパワー”


2. 日本の「内向き思考」が危うい理由

奥山さんの本を読んで特に印象的だったのは「多くの日本人は世界の動きを”他人事”として見ている」という指摘です。私たちは日々の暮らしやビジネスで国内事情ばかりに目が行きがちで地政学的な「大きな流れ」を見落としがちです。

例えば台湾有事のリスクが高まれば、日本の南西諸島や沖縄は間違いなく巻き込まれる可能性があります。また、サプライチェーンの一部が台湾に依存している企業は、戦争リスクによって大打撃を受けるでしょう。これは大企業だけでなく中小企業にも直接影響する問題です。

地政学の視点を持てば「世界のどこで何が起きているか」が、自分の生活や仕事にどう跳ね返ってくるのかを考える習慣が身につきます。例えば原油価格がなぜ高騰しているのか、その背景にある中東の動きやアメリカのエネルギー戦略を知れば先を読んだ行動が可能になります。

つまり、「自分には関係ない」と思っていた国際ニュースが実は財布の中身やビジネスの方針に直結しているという現実に気づかされるのです。巡りに巡って自分に関係してくる!

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”チョーク・ポイント”世界の要所も押さえておこう

世界地図

3. 地政学は「予測の武器」になる

ビジネスでも人生でも「変化に先回りする力」は非常に重要です。地政学は目の前の出来事を点で捉えるのではなく、地理・歴史・国益といった“線”や“面”で捉えることで、今後の動きを予測するヒントを与えてくれます。

例えばアメリカが中東から距離を置き、アジア重視(いわゆる「リバランス」政策)に舵を切ったことはすでに10年以上前から地政学的に予見されていた動きです。それが現実となり、中国とアメリカの対立が経済や技術、軍事のあらゆる分野に広がっています。

「なぜ今、中国は覇権を目指しているのか?」
「アメリカが世界の警察をやめたら、誰がその役を担うのか?」
「インドやトルコが世界で存在感を増している背景は何か?」

こうした疑問に対して地政学は理論と歴史の積み重ねで答えてくれます。しかもそれは、外交官や軍人だけでなく、ビジネスパーソンや一般の生活者にも役立つ視点です。新興国市場の動向、物流の安全性、為替の変動リスクなどビジネス判断の裏付けにも使えます。

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おわりに──“地政学的思考”は現代人のリテラシー

『サクッとわかるビジネス教養 地政学』は決して小難しい本ではありません。地政学初心者でも読みやすい構成で、図解や事例が豊富に盛り込まれており、実生活と地政学をつなげて考えるヒントが満載です。

本書を読み終えたとき「ニュースの見え方が変わった」「これからは“地図”を意識して世界を見るようにしよう」と、自然に思えるようになります。これこそが現代を生き抜く上での“教養”ではないでしょうか。

SNSや短絡的な情報にあふれる現代だからこそ、地政学的な「深く、広く、長く」ものごとを見る視点を持つことが、あなた自身の価値を高めることにつながるはずです。

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